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Ⅹ:相続税納税猶予制度等

経営承継円滑化法の三大施策

     中小企業は、わが国企業の9割、雇用全体の7割を占めるなどわが国経済の基盤を形成していますが、経営者の高齢化が進展しているなど、日本経済の発展を支える中小企業の事業承継問題への対応が喫緊の政策課題となっている。
     そこで、中小企業における事業承継の円滑化のために、平成20年5月に「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(以下、経営承継円滑化法)」 が成立、同年10月より施行された。経営承継円滑化法では、下記の三大施策が盛り込まれているが、いずれも親族内での承継を前提としている。

     ①遺留分に関する民法の特例 ~自社株の生前贈与に関わる民法特例~
     ②金融支援 ~保証協会、政策金融公庫の融資支援~
     ③相続税の課税についての措置 ~自社株の相続税の納税猶予~

     以下では、民法特例を簡単にご紹介後、事業承継対策を考えていくうえで非常に重要な制度である相続税の納税猶予制度(贈与税の納税猶予制度も含む)を概説する。

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自社株の生前贈与に関わる民法特例

     非上場会社などの要件を満たす中小企業において、先代経営者の推定相続人である等あらかじめ定められた要件を満たす後継者が、遺留分権利者(先 代経営者の推定相続人)全員の合意及び所要の手続き(経済産業大臣の確認、家庭裁判所の許可)を経ることを前提に、以下の民法の特例を受けることができる。

      なお、従来の遺留分放棄は当事者全員が個別に申し立てすることが必要であったが、本手続きについては、後継者が単独で申し立てできる。

     ①先代経営者から後継者に生前贈与された自社株等を遺留分の対象から除外(除外合意)
     贈与株式が遺留分減殺請求の対象外になるので、相続に伴う株式の分散を未然に防止することができる。
     ②生前贈与された株式の評価額をあらかじめ固定(固定合意)
     後継者の貢献による株価上昇分が遺留分減殺請求の対象外となるので、後継者の経営意欲が阻害されない。

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相続税納税猶予制度の概要

     この特例を適用すると、相続人である後継者が先代経営者から株式を相続した場合に、相続等により取得した株式等の課税価格の80%に対応する相続税の納税が猶予される。

     ただし、後継者が相続開始前から既に保有していた株式等を含め、発行済株式等の3分の2に達するまでの部分に限る。

     したがって、後継者が取得した株式全てに80%の相続税の納税猶予は適用されるわけではなく、相続税の支払が無条件に免除されるわけでもない。

自社株を全く所有していない後継者が、
全ての株式を相続する場合
2 / 3…80%納税猶予(20%支払い)
1 / 3…納税猶予なし
自社株を既に 1 / 3所有している後継者が、
残りの 2 / 3 の株式を相続する場合
1 / 3…80%納税猶予(20%支払い)
1 / 3…納税猶予なし
自社株を既に 2 / 3所有している後継者が、
残りの 1 / 3 の株式を相続する場合
1 / 3…納税猶予なし

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相続税納税猶予制度の要件

     相続発生後、相続税の申告期限までに、経済産業局長に経営承継円滑化法の認定申請、認定後に税務署長に特例適用申請して、5年間の事業継続報告等の手続きを要する。  

     相続税の納税猶予制度を上手に活用すると、大きな節税効果を得ることが可能であるが、適用対象となる会社、経営者や後継者など要件は複雑で厳しいので、この特例を受けるにあたっては、事前に資産税に強い税理士等に相談するなど十分注意すること。

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相続税納税猶予制度の要件(認定対象会社)

    認定対象会社となるには、以下のいずれの条件を満たす必要がある。

    ①中小企業基本法の中小企業 (資本金か従業員数のどちらかに該当すればよい)

  資本金 従業員数
製造業ほか 3億円以下 300人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
小売業 5千万円以下

50人以下

サービス業 100人以下

    ※情報処理サービス業は、資本金3億円以下または    従業員300人以下など、条件が一部緩和されている業種もある。
    ※特例有限会社、持分会社も対象になります。

    ②非上場会社
    ③資産管理会社等に該当しない。(次項で解説)
    ④その他該当しない会社


    医療法人(同種の制度が創設)、風俗関連事業(風営法の性風俗関連特殊営業)を行う会社、上場会社等の実質的な子会社、収入がゼロの会社、常勤の従業員がいない会社は該当しない。

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相続税納税猶予制度の要件(資産管理会社等)

    資産管理会社等とは、以下のような会社をいう。

資産保有型会社 総資産に占める「特定資産」の合計額の割合が70%以上の会社
資産運用型会社 総収入金額に占める「特定資産」の運用収入の合計額の割合が75%以上の会社

    *「特定資産」…有価証券、不動産、現預金、ゴルフ場会員権、貴金属等

     ただし、以下の要件を全て満たす会社(事業実態のある会社)は認定対象となる。
    ・相続発生時点で3年以上継続して事業活動(自己の名義と損益による商品販売・資産貸付け・サービス提供等)を行っていること
    ・事務所、店舗、工場等の施設を所有か賃借していること
    ・常勤の従業員が5人以上いること

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相続税納税猶予制度の要件(先代経営者と後継者)

    ①先代経営者(被相続人)の要件

    ・会社の代表者であった(相続開始直前に代表者でなくてもよい)
    ・同族関係者(親族、被相続人及び親族が経営している会社等)と合わせて発行済株式総数の過半数を保有し、同族関係者内で筆頭株主(上記相続人は除く)であった(この要件を代表者当時と相続開始直前に満たしていること)

    ②後継者(相続人)の要件

    ・会社の代表者で、先代経営者の親族である(※平成27年1月1日以降は親族でなくても良い)
    ・同族関係者と合わせて発行済株式総数の過半数を保有し、同族内で筆頭株主である
    ・1つの会社で適用されるのは1人の後継者のみである
    *親族…6親等の血族(甥、姪も含む)、配偶者、3親等以内の姻族(娘婿も含む)

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相続税納税猶予制度の要件(事業継続)

    ①相続税の申告期限から5年間、下記を満たして事業を継続しなければならない。

    ・代表者であることを継続
    ・従業員につき社会保険加入者の雇用の8割以上を維持 
    ・相続した対象株式の継続保有(1株でも譲渡や贈与をしてはいけない)
    ・認定対象会社に該当

    ②5年経過後は対象株式を保有していれば納税猶予は継続されるが、以下の場合は猶予税額が免除される。

    ・経営者(本特例の適用を受けた後継者)が死亡
    ・会社が破産または特別清算
    ・猶予税額未満で当該株式を譲渡(時価を超える猶予税額のみ免除)
    ・次期後継者に対象株式を一括贈与

    ③事業継続期間(当初5年間)は毎年1回経済産業局に報告書を提出、その後は3年に1回税務署への届出が必要

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贈与税納税猶予制度の概要

     この特例を適用すると、後継者が先代経営者から株式を一括して贈与を受けた場合に、贈与により取得した株式等の課税価格の全額に対応する贈与税の納税が猶予される。

     ただし、後継者が贈与前から既に保有していた株式等を含め、発行済株式等の3分の2に達するまでの部分に限ります。したがって残りの部分に課税される贈与税の納税を、精算課税制度の適用等により手当てしなければならない。

     また、先代経営者の死亡によって贈与税の支払いは免除されるが、対象株式は相続で取得したとみなして、贈与時の時価で相続財産に合算して相続税額を計算する。

     適用要件は原則として、相続税の納税猶予制度と同様であるが、以下の事項に留意する必要がある。

    ・先代経営者
    保有株式を全て後継者に贈与して、役員を退任(※なお、平成27年1月1日以降は、代表権のない取締役であれば退任しなくても良い

    ・後継者
    20歳以上で、役員就任から3年以上経過

    ・贈与税の免除
    相続税の免除の要件に加えて、先代経営者の死亡が加えられている。

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